ひな祭り豆知識

 

 3月3日はひなの節句、そして、ひなの節句は女の子のお祭りだと、私達は思っています。しかし、お雛様を並べ、白酒、菱餅、桃の花を飾って楽しむひな祭りは、江戸時代になって形作られたものです。では、それより前はどうだったのでしょう?
 古く、日本の農民の世界には、春のはじめの3月に、けがれを祓う慣わしがありました。農作業をはじめる前に、その年の安全と豊作を祈る気持ちがこめられていたのでしょう。そのとき、けがれを移して川に流してしまう形代(かたしろ)として、草人形をつくりました。その草人形がだんだん美しくなって雛人形になったのです。
 平安時代に行われていた「ひなあそび」は、当時の人形遊びのことです。
Q1 内裏(だいり)びなって、なんですか? A1
天皇と皇后をかたどって作った男女一対の人形の事です。親しみをこめて「お内裏様(おだいりさま)」とか「お内様(おだいさま)」などと呼ぶこともあります。
 「内裏」とは、もともと天皇の住居のことでしたが、、いつのまにか天皇その人を意味するようになったのです。
Q2 三人官女 五人囃子ってなんですか? Q2
 天皇・皇后に使える女の人を官女といいます。五人囃子は、音楽を奏でる5人の童子のことで、地謡(じうたい)、笛、小鼓(こづつみ)、大鼓(おおづつみ)、太鼓を受け持っています。
 こうした人形たちがいるおかげで、ひな壇がにぎやかになっているのです。
Q3 どうして、桃の花を飾るのですか? A3
 3月3日に、ちょうど咲いている花が桃だからかもしれません。桃の花は、ふっくらとして、女の子にふさわしい花です。
 しかし、本当は、桃が心臓と同じ形をしており、生命そのものをあらわすと信じられていたからでしょう。そういう桃だから、、あの強い桃太郎が生まれたのです。
Q4 どうして嫁入り道具を飾るのですか? A4
 西洋には「人形の家」という考え方があって、人形とその住居としての家がセットになっています。日本の雛人形では、「家」という考え方がありません。
 そのかわり、「道具」がすべて揃えられています。嫁入り道具というより、生活道具とみたほうがよさそうです。
Q5
 おひな様を早くしまわないと結婚が遅れるって本当ですか?
A5
 そんなこと、いったい誰が言い始めたんでしょう。雛人形とその持ち主の結婚とはなんの関係もありません。「6日のあやめ、10日の菊」ということわざがあります。節句の当日を過ぎた飾り物は、似つかわしくないという意味です。
 3月3日を過ぎても飾られているお雛様は、かわいそうだとの考えから、言い出されたのかもしれません。
Q6 白酒はなにからできているのですか? A6
 「しらざけ」と読まないで、「しろざけ」と読んで下さい。白犬、白石、白花など、みんなそうです。
 蒸したもち米に米麹を混ぜて、50日から60日おくと出来あがりです。濃い白色で、甘味があっておいしいお酒です。
Q7 ひなあられは何からできているのですか? A7
 もち米を餅にし、それをさいの目に切り、いったものです。桃色や草色のあられは、餅をつくときに色付けします。
Q8 紙びな 草びなってなんですか? A8
 千代紙で折って作ったのを紙びなといい、江戸時代には「姉様人形」ともいいました。
 たんぽぽの黄色い花を頭に、葉を体と着物にして作ったものを草びなといいます。昔の子供はひな人形をなかなか買ってもらえず、紙びな、草びなを飾ったものでした。
Q9
 川原で、おひな粥という行事をするところがあると聞きますが、何をするのですか?
A9
 関東地方の一部では、3月3日、子ども達が川原に出て、城(石囲い)をつくり、その中でおかゆをこしらえて遊びます。これがおひな粥です。